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ヴェルサイユ宮殿の見どころ・まわり方
「ヴェルサイユ宮殿」って、結局のところ 何なのか?
自分は見に行くべきなのか? 見学にはどのくらい時間がかかるのか?
ツアーで行くか、個人で行くか?
そんな数々の疑問にお答えします。左の動画は、見どころをまとめたものです。
パリからのアクセスについては、以下のページをご覧ください。
ヴェルサイユ宮殿とは?
もともとは、ルイ13世が狩猟の際に使っていた邸宅でした(昔の王族・貴族は、狩りを楽しむときに 森に滞在するための館を持っていました)。
それを息子のルイ14世が、宮殿に作り替えたものが、ヴェルサイユ宮殿です。
パリの南西 約 20kmに位置するヴェルサイユ市にあります。
ルイ14世によるこの改築は、大規模なもので、約半世紀の年月がかかりました(1661年工事開始、1710年完成)。日本では江戸時代の前半のことです。
庭園も含めた敷地の総面積は、およそ800万㎡。建築、造園、室内装飾の各分野で、当時の超一流の専門家が集められました。常に 2万人以上の工事関係者が出入りしていたと言われています。
壮麗な宮殿の建築だけではなく、水源のなかったヴェルサイユにセーヌ川から流れを引き、荒れた土地に豊かな森を作ることで、ルイ14世は、自然までも支配する王の権力・支配力を国内外に示しました。
ルイ14世は、治世中(1682年)に、宮廷・および政府を パリからヴェルサイユに移します。以後、フランス革命(1789年)でルイ16世一家がパリに連れ戻されるまでのおよそ100年間は、ヴェルサイユ宮殿が政治の中心地となりました。
フランス革命当時、家具などの略奪はあったものの、宮殿自体は無傷で残りました。
1837年に歴史美術館として一般に解放。1979年には世界文化遺産に登録され、毎年世界中から多くの観光客(年間600万人以上)が訪れています。
ヴェルサイユ宮殿の見どころは?
見どころは たくさんありますが、大まかに言うと、以下に集約されます。
・見学の中心となる「宮殿」(略図 A /グラン・アパルトマン)
・宮殿の西側に広がる広大な庭園、その奥に続く十字形の運河(略図 D/グラン・カナル)
・運河に隣接する「グラン・トリアノン」(略図 C/大離宮)と「プチ・トリアノン」(略図 B/小離宮)
・プチ・トリアノン周辺の「王妃の農村」「愛の殿堂」など
宮殿だけの見学で済ませるなら半日、グランカナルやトリアノンまで行くなら一日必要です。
個人で行く人は、どこに重点をおいて見学するかを決めておきましょう。
現地オプショナルツアーも、見学内容に違いがあります。パッケージツアーの一環ではなく、別途オプショナルとして申込む人は、内容をよく確認してください。
各社の現地ツアーの傾向を簡単にまとめますと、半日(所要時間 2〜3時間)のツアーは、「宮殿のみ」、あるいは「宮殿と庭園」という内容であることが多いです。この場合の「庭園」は、宮殿(A)のごく周辺に限られます。周りの噴水や花壇の間を歩くだけでも、30分くらいはあっという間に過ぎる広さがあるのです。
離宮地帯(プチ・トリアノン、グラン・トリアノン)や、グラン・カナルの方まで行きたい人は、一日かけて見学するツアーの中から選んでください。
一日のツアーでも、いくつかのパターンがあります。
終日ガイドさんが案内してくれるツアー、午前中にメインの宮殿をガイドさんと一緒に見学し、午後は自由行動というツアー、通常は入れない部屋を案内してもらえるV I Pツアーなどがあります。
見どころの特徴
★ 宮殿(グラン・アパルトマン)
「ヴェルサイユ宮殿」と言った時には、庭園や離宮も含めた施設全体を指すこともありますが、メインとなるこの建築物(略図A)自体を表して言うこともあります。
宮殿の中で最も有名な部屋は、「鏡の回廊」(左写真)です。ここでベルサイユ条約(第一次世界大戦の終結時/1919年)が調印されました。
その他、ルイ16世とマリー・アントワネットの婚礼が行われた「礼拝堂」、歴代王妃が王位継承者を出産し、マリー・アントワネットが最後の主となった「王妃の寝室」など、歴史の教科書やテレビ番組などで よく取り上げられる部屋が多数あります。
ルーヴル美術館に所蔵されている有名な絵画「ナポレオン一世の戴冠式」の2作目(バージョン違い)も展示されています。
*関連記事(実際の訪問記):鏡の回廊を目指す / 王の居殿 / 王妃の居殿 / 宮殿内の混雑状況
戦争の間のレリーフ / 数々の部屋
★ プチ・トリアノン(小離宮)
ルイ15世の公妾「ポンパドゥール婦人」の発案で造られた離宮。メインの宮殿と比べると、かなり小さな建物です。
ルイ15世の次の王であるルイ16世が即位すると、その妻のマリー・アントワネットに贈られました。
宮殿の厳しい慣習についていけなかったアントワネットは、プチ・トリアノンで、お気に入りの側近たちと過ごすことを好み、建物自体も自分の好みへと改装を重ねていきます。
建物内部の見学も可能です。内装を見ると、アントワネットの趣味がうかがえます。メインの宮殿の美しさを男性的な力強さと表現するならば、プチ・トリアノンは、可憐な乙女らしさが特徴と言えるでしょう。
プチ・トリアノンでは建物内部の見学の他に、周辺の散策も欠かせません。
マリー・アントワネットが、スウェーデン大使のフェルゼンと密会を重ねたとされる「愛の殿堂」が まずひとつ目の見どころ。
さらにその奥へ進むと、「王妃の農村」と呼ばれる疑似農園が広がります。ガイドブックなどで、田舎の民家や畑の写真を見たことがある人も多いと思いますが、ここにはぜひ、実際に足を運んでみてください!!
「これ、ほんとに造ったの?」と感じると思います。
*関連記事:プチ・トリアノン / 愛の殿堂 / 音楽のサロン / プチトリアノンから宮殿へ戻る
★グラン・トリアノン(大離宮)
ルイ14世が、宮廷での公務を離れて家族や身近な側近たちと過ごすために造った離宮。1687年のマンサールによる改築で、バラ色の大理石がふんだんに用いられ、「大理石のトリアノン」と呼ばれるようになりました。
フランス革命後は、ナポレオン一世が居住します。ルイ14世時代の調度品は失われてしまいましたが、ナポレオン時代のものが当時のまま残っています。
ルイ14世が寝室としていた部屋は、皇后マリー・ルイーズ(ナポレオンの2番目の妻)の部屋になりました。ピンクと白を基調とした優雅な女性らしい部屋になっています。
現在、グラン・トリアノンは、迎賓館としても利用されており、国賓を招いての晩餐会などが行われます。
メインの宮殿よりは小さいですが、プチ・トリアノンよりは、ずっと大きい建物です。
見どころは多いのですが、ここまで来る観光客は比較的少なく、ゆったりと見学できます。
*関連する記事:グラン・トリアノン
★庭園 および グラン・カナル
天才造園家「ル・ノートル」によって造られた「フランス式庭園」です。広さは100万㎡以上。この数字を聞いてもあまりピンと来ないかもしれませんが、「庭園」と聞いて、私たちが想像する概念を はるかに超えたスケールです。
ル・ノートルは、「庭園の王」、「王者の庭師」などの異名を持つ巨匠で、パリのチュイルリー公園やシャンゼリゼ大通りの設計なども手がけた人物です。
フランス式庭園の特徴は、「幾何学模様」や「左右対称」に配置された遊歩道や植栽です。また、遠近法を効果的に用いた視覚効果によって、平坦さや広大さを増幅させ、もともと広い敷地が一層広がりを持って感じられるようになっています。
リズミカルに並んだ植物や、バランスよく配置された噴水・遊歩道などは、その効果の仕組みを知らなくても、見た目に心地良く、散策するだけ気分が高揚します。
*関連する記事:庭に出てみよう / グラン・カナル(大運河) / 風の誘い
* * *
メインの宮殿付近の散策だけでも、庭園の雰囲気を味わうことはできますが、運河の方まで進んだり、数々の噴水の周りを散策すると、より楽しめます。冬は寒さがとても厳しく、長時間 外に居るのは辛いと思いますが、夏に行く人は、ぜひ、たっぷり時間をとることをおすすめします。
◎水と音楽のスペクタクル
ルイ14世時代に、庭園で行われた余興を再現しようというコンセプトで行われる催しが、「水と音楽のスペクタクル」です。毎年、4月〜10月の土、日、祝日に行われています(詳しい日程は公式HPで確認のこと)。
具体的には、宮廷バロック音楽が流れ、庭園内の噴水の水が上がります(普段、噴水は上がっていません)。
噴水の仕組みは、建設当時と変わっておらず、数カ所の大貯水池から全長30kmの配管を通して送られた水の圧力を使ったものです。
◎プチ・トラン
宮殿の前から出発して、グラン・カナルまでの約5km のコースを周遊する庭園内のミニ列車。移動手段のひとつです。夏は、15〜30分間隔、冬は30〜60分間隔で運行しています。宮殿→プチトリアノン→グラントリアノン→グランカナル の順に停車します。半券を提示することで、再度乗車できます。
つまり、まず「プチ・トリアノン」で一旦降りて見学、その後に来た列車で「グラン・トリアノン」まで移動、そこで降りて見学、さらにまた乗車して「グラン・カナル」へ移動、ということが可能です。
宮殿から離宮地帯まで、全て徒歩で移動することも不可能ではありません。しかし、単に庭園を歩くだけが目的なら ともかく、離宮での見学もしたいと考えているなら、徒歩での移動はおすすめしません。
*プチ・トランでの移動について
時間がない人のための、見学ポイントの選び方
宮殿、2つの離宮、庭と運河などを全て見るには、一日かかります。
1日かけても全部見るべき、と私は考えますが、時間的な制限によって一日は居られない場合、以下の見学所用時間を目安にプランを考えてください。
さらに、各地点から宮殿までの往復に、30〜45分程度かかると考えてください。
1、宮殿:2時間〜
2、プティ・トリアノン:建物だけなら0.5時間〜、建物+王妃の農村 を見るなら 2〜3時間以上
3、グラン・トリアノン:1時間〜
4、庭園:宮殿周辺を少し見るだけなら0.5時間〜、グランカナル付近まで行くなら2時間〜
【注意点】
・宮殿は 9時からオープンですが、トリアノンは両方とも 12時からのオープンになります。
・冬季はとても寒く、庭で長時間 過ごすのはかなり厳しいと思います。逆に気候の良い時期であれば、噴水や花壇を楽しみながら、写真を撮ったりするのは この上なく楽しく、あっと言う間に時間が過ぎます。
【優先順位】
1「宮殿」
もちろん、あなたの興味の対象によるのですが、なんといっても重要なのは「宮殿」です。
「半日で行くなら、宮殿だけを見る」というのが、 一般的な見解だと思います。
2「プチ・トリアノン」
宮殿に、もうひとつだけプラスするなら「プチ・トリアノン」をおすすめします。
メインの宮殿とは、かなり違った世界が広がっているからです。プチ・トリアノンの建物自体は小さいので、短時間で見学できます。
プチ・トリアノンの必見ポイントは、「王妃の農村(アモー)」です。建物見学を省略してでも、マリー・アントワネットが造ったこの疑似農園は 見に行くとよいでしょう。造園師「ル・ノートル」による完璧な美を備えたフランス式庭園とは全く違った意味で、その規模や完成度に圧倒されます。
3「グラン・トリアノン」
イタリア式建築が好きな人、ナポレオン好きの人は、グラン・トリアノンもぜひ見学してください。
4「大運河」
宮殿周辺だけでなく、広大な運河も見どころのひとつです。プチ・トランに乗って、終点まで行くと、ボートに乗れる池があったり、木立の中に彫像が点在したり、素晴らしい風景が広がっています。
気候の良い時期に行く人には、特におすすめです。
まとめ:半日でよいか、一日かけるべきか
ヴェルサイユはパリから比較的近いので、半日の現地ツアーなども数多く存在します。
半日で行くか、一日かけるか迷っているあなたに、私からの個人的なアドバイスです。
(私の場合は、特にフランスや、お城などの建築物などが好きなので、その点を考慮してお読みください。)
日本からフランスまで行き、(そして おそらくパリから約1時間かけて)ヴェルサイユまで行くのですから、一日かけてゆっくり見学することを強くおすすめします。半日(つまり宮殿見学だけのツアー)で帰るのは、本当にもったいないと思います。
「来た意味がない」とまでは言いませんが、ヴェルサイユ宮殿は、メインの宮殿を見て、2つの離宮を見て、人工的につくられた自然(広大な庭園と運河)や造園技術(花壇や噴水)を見て、そこでやっと全貌が浮かび上がってきます。
宮殿だけの見学では、全体の一面を見たに過ぎません。離宮を見ることで、宮殿の特徴もより深く理解できるようになります。
私なら、スケジュール的にきつくて 一日居られないのなら、ヴェルサイユ行きは断念して、パリで他の観光スポットを巡ることを選択するかもしれません。・・・それくらい、宮殿以外の部分も含めて見学することをおすすめします。
「そこまで強い関心はない」、「有名な『鏡の回廊』だけ見れば充分」、「どうしても1日は無理だけど、少しだけでも良いから見たい」という人には、半日コースをおすすめします。
半日のオプショナルツアーを利用するなら・・
ヴェルサイユ宮殿 半日観光ツアー|フランス 観光・オプショナルツアー予約専門サイト VELTRA/Alan1.net
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管理人の おすすめの V I P ツアー
【20名限定】ヴェルサイユ宮殿の裏側を巡るVIP ツアー(英語ガイド)
プライベートガイドの案内で、一般には公開されていない部屋を見学できる 20名限定のツアーです
。
(ルイ16世の図書室、ロイヤルダイニングホール、オペラハウス、娯楽室など) 個人では入れないところを案内してもらえるので、非常に利用価値が高く、特にリピーターの方にはおすすめです!【 終日/フレンチの昼食付き】
ヴェルサイユ宮殿の現地ツアー 人気順 一覧 → ヴェルサイユ宮殿観光ツアー
ヴェルサイユ宮殿近くのホテル
▷ メルキュール ヴェルサイユ シャトー (Mercure Versailles Chateau) 3 つ星
宮殿まで徒歩で行けます。口コミも良いです。
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ヴェルサイユ宮殿 観光 しっかり観たいあなたへ
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