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オヴェール城・印象派絵画館(訪問記)Château d'Auvers


オヴェール城外観17世紀のお城「オヴェール城/Château d'Auvers」が、「印象派絵画館」として一般に公開されている。事前に「この美術館に実際の絵画は無い」、「ハイテクを駆使した美術館である」という情報を得ていた。

「 美術館なのに絵画が無く、ハイテクを駆使している。」
それってどういうことだろうと疑問には思いつつも、実は正直なところ、あまり期待していなかった。

パリから往復の交通券とこの美術館の入場券がセットになっている「ファルフェ」を購入したので、「せっかくだから行ってみよう」という軽い気持ちで訪ねた。

しかし、そんな予想に反して、私はこの美術館をとても楽しみ、充実した時を過ごした。
「体感型」ともいうべき、私にとっては、今までに経験したことのないシステムの美術館だった。美術館巡りの好きな方には是非訪れていただきたい、面白い美術館である。

見学者は、入口で渡されるヘッドフォン(日本語版有り)を聞きながら、展示室を見学する。19世紀当時のパリを再現した部屋や、街の様子の写真が展示されている部屋などが続く。

一般的に、美術館で貸し出される音声ガイドは、見学者が説明を聞きたい作品の番号を入力すると、解説がイヤフォンから流れるという仕組みであろう。しかし、この美術館の音声ガイドは、各展示室に入ると、そこにある展示内容に関する解説が自動的に始まる仕組みになっている。


自動的に始まるのは、音声ガイドの解説だけではない。各部屋にはモニターが設置されていて、見学者が部屋に入ると間もなく、モニターには映像が映し出される。ヘッドフォンからは、モニターに映っている映像にあった解説や音楽が聞こえてくる。

おそらく、人の動きを感知するセンサーのようなものが使われているのだろうが、詳しい仕組みは分からない。 私が訪れた時は、たまたま、私ともう1~2組の見学者しかいなかったのだが、大勢が同時に部屋に入るとどうなるのだろう?と疑問を持った。


「印象派絵画館」という名称だが、印象派の絵画そのものだけではなく、当時の社会的背景なども詳しく解説している。美術の流れとともに、この時代のパリを理解するのに助けになる内容だった。


印象派絵画館HP → http://www.chateau-auvers.fr/(注意*音が出ます)

オヴェール城周辺のグーグルマップ



「印象派絵画館」見学ルポ


印象派絵画館お城の前に広がるのは、典型的なフランス式庭園である。

植物が美しい幾何学模様を描いている。



印象派絵画館<館内:当時の酒場を再現した部屋>
見学者が入ると、ショータイムが始まる。照明が落ち、舞台の幕が上がる。司会者役の人形が舞台の袖から出てきて、ショータイムの始まりを告げる。ヘッドフォンからは、音楽や酒場のざわめきが聞こえてくる。
とても興味深い仕掛けだった。


印象派絵画館<列車を再現>
印象派絵画が花開いた時期は、鉄道の発展した時期と重なる。列車で郊外に気軽に出かけられるようになり、画家達は陽光溢れる戸外での創作を成すようになるのだ。

ここは、当時の列車の中を再現したスペース。座席に座って窓の外を見ると、そこは大きなスクリーンになっていて、まるで車窓から風景を見ているような疑似体験ができる。列車は、印象派の画家達が活動した場所に案内してくれる。



印象派絵画館<駅の待合室を再現>
19世紀頃の駅の待ち合い室。
窓に向こうには、パラソルをさした貴婦人の影が見える。室内のベンチ付近には、古風なデザインのトランクケースが置かれていた。これから旅に出る時のわくわくした気持ちを、一緒に感じることができた。



印象派絵画館<スクリーンで見る印象派絵画>
展示終盤の地点にて。大型のスクリーンで、印象派の絵画を次々に見せていた。解説とともに、モネやルノワールの絵画が次々に現れる。ここに映っているのは、モネの「ひなげし」。真ん中のスクリーンで全体像を見せ、サイドのスクリーンで拡大した部分を見せている。

この作品は、オルセー美術館に行けば本物を見ることができるのだが、このような形で鑑賞するのも面白いと思った。

 



印象派絵画館モネの「日傘の女」だが、これはオルセー美術館にある2作品ではなく、ワシントン・ナショナル・ギャラリー(アメリカ)にある もうひとつの「日傘の女」である。
フランスにある作品だけにとどまらず、広く紹介していた。

確かに、ここには本物の絵画作品は、なかった。

しかし、通常の美術館とは違った形で、たくさんの作品を見学することができ、満足度は高かった。








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