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ルノワール「田舎のダンス」「都会のダンス」


renoir2renoir3ルノワールの連作「ダンス3部作」のうち2枚が、オルセー美術館に所蔵されています。

右が「都会のダンス」、左が「田舎のダンス」です。二つの絵に描かれている女性に注目してみましょう。


「都会のダンス」の女性が着ているのは、光沢の美しい白いドレス。おそらく素材は、シルクでしょう。後ろは大きく開いていて、うなじから背中にかけての白い肌が、柔らかく繊細な色気を発しています。アップのヘアスタイルもよく似合っています。ポーズは、どことなく気取っているように見えます。ルノワ−ルの描く女性にしては やや華奢な身体つきの女性です。



一方「田舎のダンス」の女性の服は、「普段着」ではないのかもしれないけど、「ドレス」と言えるものではなさそうです。丸顔でちょっと太り気味の、どこにでもいそうな普通の女の子。「都会のダンス」の女性のような洗練された美しさはないけれど、きっとおおらかないい子だろうと思わせる笑顔と佇まいを見せています。


対照的な二人のモデルはどちらも実在の女性で、ルノワールは両方の女性とおつきあいしていました。
のちに結婚して 生涯沿い遂げたのは、田舎のダンスの女性アリーヌです。


都会のダンスの女性シュザンヌ・ヴァラドンは、自身も画家として作品を残しています。当時ルノアールだけでなく、ロートレックやドガのモデルも努めていたシュザンヌは、複数の画家と同時につきあっていました。

「都会のダンス」に描かれたとき、シュザンヌは身ごもっていました。のちに生まれてくるのはエコール・ド・パリを代表する画家となるユトリロで、父親は不明ということになっています(ルノワール説が有力のようです)。ユトリロのお父さんが誰なのか、本当に分からなかったのでしょうか? 誰にも言わなかったかもしれないけれど、シュザンヌには分かっていたのではないか…と私は思っています。


この2枚はオルセ−美術館で並んで展示されています。
シュザンヌにしても、アリーヌにしても、お互いに「並べないでよ!」と思っているんじゃないかとちょっと心配です。


田舎のダンス都会のダンス



*関連する記事:オルセー美術館のおすすめ作品



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