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ナポレオン3世の居室(Appartements Napoléon III)


パリの街並パリを訪れると、その美しい街並に目を奪われます。 高さ、形、色の揃った建物、整った区画、街を彩る街路樹。 特に高いところに登ると、街並全体がある秩序に基づいて作られていることを実感できると思います。この美しいパリの原型を作ったとも言える人物が「ナポレオン3世」です。

ナポレオン3世は、ナポレオン1世(ナポレオン・ボナパルト)の弟の息子、つまり甥です(孫ではないですよ〜、念のため)。ナポレオン1世の活躍が世界中に知れ渡っているのに対し、ナポレオン3世の方は、歴史好きな人のあいだでは強く認識されているとしても、一般的にはやや影が薄いように思います。

19世紀半ば、ナポレオン3世は、当時のセーヌ県知事「オスマン」に命じて、中世都市のままだったパリの再開発を行いました。

景観の美しさを整えただけではありません。不衛生だった上下水道を整備し、道路や橋を整備し、犯罪の温床になっていたスラム街を一層しました。パリを近代都市として生まれ変わらせた、この一連の計画を「パリ大改造」と言います。ルーヴルからも遠くない、パリの中心にあるオペラ座(オペラ・ガルニエ)の建設を命じたのも、ナポレオン3世です。


そのナポレオン3世の居室を、リシュリュー翼の2階で見学することができます。



ナポレオン3世の居室 見学レポート


ナポレオン3世の居室リシュリュー翼・2階。

豪華な部屋が現れてきました。
でも、ここはまだまだ序の口です。




ナポレオン3世の居室ここは「大広間」。
接客用の続き部屋の一部です。

深いワイン色をしたベルベット張りのソファ。もちろん座ることは許されません。

「あぁ座ってみたい、その滑らかそうな手触りを確かめてみたい!」と思いながら見学していたのは、きっと私だけではないと思います。

金色の壁、金色の天井、大きな鏡に大きなシャンデリア。「豪華」ってこういうことか…とため息。



ナポレオン3世の居室

「ナポレオン3世の居室」は、一室だけを差すのではありません。居室群、居室一帯、とでも言ったらいいでしょうか。大サロン、小食堂、大食堂など、複数の部屋が存在しています。 日本語での表記「ナポレオン3世の居室」では分かりにくいですが、原題を見ると、アパルトマン「Appartements」と複数形になっています。

1980年代後半のルーヴル大改造(*グラン・ルーヴル・プロジェ/ちなみにガラスのピラミッドが出来たのもこの時)までは、ここは大蔵省として使われていたそうです。

ここで実務的な業務を行っていたというイメージは、あまり湧いてきません。しかし、実際に使われていたことと、一般には公開されていなかったことにより、現在も非常に良い状態を保っているのだそうです。

それにしても……。一面、金ピカです。




ナポレオン3世の居室わーすごーい!と見上げたら、そのまま目が離せなくなってしまうようなシャンデリア。

華やかでありながらも、重々しい感じがします。

堂々として荘厳な様は、第二帝政時代の室内装飾の特徴だそうです。「時代の特徴」ということは、この居室だけが特別ではないということです。

ナポレオン3世は、「オペラ・ガルニエ」が完成した時、その建物や内装の美しさや豪華さに、とても満足したそうです。当時の様式の定番だったことを差し引いても、ナポレオン3世はこういうものが特に好きな人だったのかもしれません。
オペラ・ガルニエも相当すごいですから……。( 参考記事 → オペラ・ガルニエ




ナポレオン3世の居室・食堂「大食堂」の長い長いテーブル。
一体、どんなお料理が並んだのでしょうか?
想像力を刺激してくれるエリアでした。


私はここを訪れる前に、ヴェルサイユ宮殿やオペラ座などを既に見学し、壮麗な室内装飾に対して、ある程度の耐性は持っていたつもりでした。しかしそれでも、あまりの豪華絢爛ぶりに、「驚く」を通り越して、ぽかんとしてしまいました。

ルーヴル美術館見学でメインとなるドゥノン翼2階からは、少し距離があるのですが、時間が許すなら是非見学していただきたい一画です。


*関連する記事 ルーヴル美術館のおすすめ作品 28


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