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オランジュリー美術館  Musée de l'Orangerie


オランジュリー美術館入り口「オランジュリー」とは、「オレンジ畑」「オレンジ温室」の意味。ここに17世紀に柑橘類の温室があったことから名付けられました。美術館の名称よりも「モネの睡蓮」がある美術館、と言った方が通りが良いかもしれません。印象派からキュビズムくらいまでの画家の作品を中心に所蔵する美術館です。

ルーヴルのように全てを観るには何日もかかる、というほど巨大な美術館ではなく、かといって、画家の個人美術館のようにこじんまりとしたところでもありません。
興味に応じて程度の差はあるとしても、半日〜1日程度をかけて観るのに程よい規模だと思います。内部は縦長にのびる長方形で、展示室の並びも入り組んだものではなく、シンプルな造りの、見学しやすい美術館です。


地上階にはモネの睡蓮のための部屋がニ部屋あります。モネの部屋を出て階段を降りると、他の画家の作品を観ることができます。通路を進んで行くと、日本でも人気のある画家の作品ばかりが次々に現れます。ルノワール、セザンヌ、ピカソ、マティス、ルソー、マリ−・ローランサン、モディリアーニ、ユトリロなどなど。

これらの画家たちの144点からなるコレクションを築いたのは、画商兼美術収集家のポール・ギヨームとその妻、そして彼女の二度目の夫のジャン・ヴァルテールです。コレクションは、1959年から1963年にかけて国家に寄贈され、オランジュリー美術館で公開されることになりました。

おおまかな言い方をすれば、オランジュリー美術館は、「モネの睡蓮」と「ヴァルテール&ギョームコレクション」を2つの大きな柱として構成されている美術館です。

 


オランジュリー美術館 見学レポ

オランジュリー美術館入場を待つ人々の列。
大きな窓のある横長の建物が、オランジュリー美術館です。


モネの睡蓮地上階には、モネの睡蓮のための部屋がニ部屋あります。睡蓮は全部で8作品展示されています。

86年の生涯で、モネはたくさんの睡蓮を描いています。
オランジュリー美術館にあるのは、大きな、というか正確には、長いキャンバスに描かれた睡蓮の連作です。キャンバスは、壁に沿って彎曲しています。

 


(2012年追記:現在「睡蓮」は撮影不可になっているようです)




モネの睡蓮

それぞれ少しづつ色味が異なっているのは、 時間の経過とともに移ろう光を表したものです。


「観るというより感じて欲しい」と願ったというモネ。その願い通り、鑑賞者はまるで睡蓮の池に囲まれているような感覚に陥いります。



モネの睡蓮

楕円形の展示室の天井は、自然光が採り入れられるようになっていて、蛍光灯とも白熱灯とも違う、白くて柔らかい光に包まれています。


 



モネの睡蓮睡蓮の部分拡大。

近くに寄ると、風景画というより抽象画のようです。マーブル模様のように見えるのに、少し離れると、水面で揺らめく陽光が浮かび上がり、光の眩しささえ感じられます。

どうしたらこんな描き方ができるのか、どれだけ見ても不思議です。



オランジュリー美術館睡蓮の部屋を離れます。
館内の様子です。
ずら〜っと続く有名絵画の数々。

方向感覚が鈍い私には、シンプルな作りの建物が、とてもうれしい。



セザンヌ「オルタンスフィケの肖像」セザンヌ「セザンヌ婦人の肖像/Madame Cézanne」

「セザンヌと妻 オルタンス・フィケは長いこと内縁状態だった。厳格なセザンヌの父が貧しいオルタンスとの結婚を許さなかったことから、二人の間に息子ポールが生まれた後も内縁関係は続き、セザンヌの父が亡くなってからようやく二人は正式に結婚した。オルタンスは決してもの静かなタイプではなかったが、夫のために何時間も辛抱強くポーズをとった。」

これは「セザンヌ婦人の肖像」の音声ガイドの解説の一部です。この作品と直接的にはつながらない、セザンヌの人生そのものに関する出来事やモデルとの関係についても丁寧に説明されていました。

このような解説を良しとするかどうかは評価が分かれるところですが、私はこのタイプの解説が好きです。ルノアール、ピカソ、マティスなど、他の画家の解説でも同様で、画家自身が語った言葉を多く紹介しているのが印象的でした。




ルノワールルノワール「ピアノに寄る少女たち/
Jeunes filles au piano」

優しいタッチと色使い、穏やかな情景など、多くの人に好感を持たれる要素を備えた作品です。美術系のブログなどを拝見していると、「この作品が好き」と言う方を良く見かけます。もちろん私も、この作品が好きな一人です。

同じテーマで描かれたルノワールの作品が他にも存在しています。パリでは、オルセー美術館で、オランジュリー版とは少しだけ違う作品を観ることができます。



マティスマティス「ソファの女たち/
Femmes au canape ou Le Divan」

マティスは、「窓」をよく題材にしています。内側の世界と外側の世界の象徴的な存在として描いていたようです。

人物も描かれてはいるのですが、作品の中の位置づけとしては、とうてい主役には見えません。しかもタイトルでは「女たち」と複数形になっているのに、女の人は一見、窓とソファの間に座っているひとりだけに思えます。が、その本当は複数なのでは?と思ってよく見ると、ソファに人が横たわっているのが分かります。…ソファの一部かと思った。
強い色彩が印象的です。




マリーローランサンマリーローランサン
「ポール・ギヨーム婦人の肖像」

オランジェリー美術館の礎となった作品をコレクションした人物、ポ―ル・ギョームの妻の肖像画です

マリーローランサンの作品にしては、目鼻、それから眉毛がはっきりしていて、顔の特徴が全面に出ています。




ユトリロユトリロ「サンピエール教会/ Eglise Saint-Pierre」

ユトリロの母は、画家であり画家達のモデルでもあった、シュザンヌ・ヴァラドンです。彼女がユトリロを身籠ったのは18歳の時。父は誰なのかはっきり分からない、ということになっています。

ユトリロは、教会や裏道など、何気ないパリの風景を多く描きました。ユトリロの描くパリは「華やかなパリ」ではありません。画面はたいてい、ひとけがなく、静かでひっそりとしています。

ユトリロの生涯に思いを馳せながら彼の作品を観るとき、切ない気持ちになります。ユトリロは、どんな気持ちでこの白い街並を描いていたでしょうか。

この教会は、ユトリロの葬儀が行われた教会として知られています。


* * * * *

例えば、ルネサンス絵画や、バロック、ロココなどが好きな人にとっては、この美術館のコレクションは新し過ぎるでしょう。一方、近代フランス、パリが芸術の中心だった頃が好きな人には、感激の豪華メンバーが次々に迎えてくれるおすすめの美術館です。


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