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ルノワール「ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレット」Bal du Moulin de la Galette
フランスを代表する画家の一人「ルノワール」は、生涯を通して「自分の絵を見る人に楽しい気分になってもらいたい」という主旨の発言を繰り返しました。
「風景ならその中に入ってみたくなるような、女性なら抱き締めたくなるような、そんな絵を描きたい。」
「絵画には、憎しみも、悲しみも、醜いことなど一つとして必要ない。」
ルノワールのそんな世界観を、まさに表しているのが、この作品「ム−ラン・ド・ラ・ギャレット」です。
作品の舞台になっているのは、当時のパリ・モンマルトルの丘にあったカフェです。
2つの風車(Moulin)に挟まれた納屋を改造して造られた場所で、 作品のタイトルにもなっている「ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレット」は、カフェの名称でもありました。作品制作にあたって、ルノワールは友人達をモデルにしました。
音楽が流れ、人々は踊り、笑い、歌う。
カフェの喧噪が想像できます 。
確かにルノワールの言葉通り、見る者を自然と笑顔にする絵だと思います。
ルノワールは、人物像を多く描いた画家ですが、例えば過酷な労働をする農民のような、つらい絵は描いていません。 あくまでも、明るく、楽しく、という気持ちが、作品制作に対する意識の根底にありました。
印象派が画壇の中で主流となる時期は、パリが近代都市としてめざましく発展する時期と重なります。人々の暮らしぶりも大きく変わりつつありました。休日には列車に乗って郊外に出かけ、ボート遊びやピクニックを楽しみ、夜はカフェやキャバレー、劇場などの社交の場へと出向きました。
「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」は、当時の流行りの社会風俗を描いたものですが、このようなテーマは、ルノワールに限らず、印象派の画家全般によく見られるものです。
近代的・都会的な要素にプラスして、ルノワールの作品には、「幸福感」が強く感じられます。
人生の中で、ささやかでも楽しい一瞬をとらえ、描いたルノワール。
ルノワールが広く親しまれる理由は、そこにあると思います。
(おまけ)
世界中で親しまれているルノワール。
そのルノワールの、数ある作品の中でも、有名、且つ人気があるのが「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」です。
「印象派カレンダー」のようなものには、かなり高い確率で登場していると思います。
(←うちにも、以前ありました!)
(Bal du Moulin de la Galette) 1876年
131×175cm 油彩 オルセー美術館所蔵
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