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グランカナルからプチトリアノンまで歩く


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私がヴェルサイユ宮殿を訪れたのは、9月中旬。もうすっかり涼しく、時には肌寒ささえ感じる気候だったが、散策には適した季節だった。

日本の関東地方の陽気に例えたら、10月下旬くらいの感覚だろうか。日光はそれほど強くはなく、日の当たる場所に立っていても辛くないし、歩き回ってもほとんど汗をかかない。厚手のジャケットを着て、ショールを巻いていたが、外にいて寒さに耐えかねるというほどでもない。

木々は一見ほとんど緑色だが、よく見るとわずかに黄色味を帯びて、秋の到来を告げている。


疲れてはいたものの、気候の良さに後押しされ、私はこの素晴らしい庭園の散策をもうしばらく楽しむことにした。
残された時間で、行ってみたいのはプチトリアノンだ。プチトリアノンまで歩いてみよう。

宮殿からプチトランで大運河まで来た際に、途中でプチトリアノンを通過して来ているので、向かうべき方向はなんとなく分かっている。

 

庭園の散策規則正しくたくさんの木々が並ぶ。
時々プチトランとすれ違う以外、人を見かけない。

さっきまで居た宮殿内でのあの混雑ぶりは、一体何だったんだろう?


庭園の散策どこまで行ったらいいの?と一瞬不安になる。
果てしなく続く田舎道のようだ。

でも田舎道と違うのは、植物が自然のままの姿ではなく、きれいに刈り込まれ、左右対称を成していることだ。これもフランス式庭園ならではの特徴である。


庭園の散策岐路には案内板があった。これに従えば大丈夫!
目指すのは一番下「 マリーアントワネットの離宮」である。

・Grand Canal(グランカナル)
・Château(城)
・Grille de la Reine(王妃の格子門)
・Porte Saint Antoine(サン・タントワーヌ門)
・Domaine de Marie-Antoinette(マリーアントワネットの離宮)

grille/鉄格子の門
porte/門、城門、出入り口
reine/王妃、女王
domaine/所有地、領域

 



庭園の散策田園のような風景が広がっている。のどかである。

羊か、ヤギか、そんな動物たちが、のんびりと草を食べていた。


庭園の散策遠くに建物が見えて来た。
どうやらあれが目指す「プチトリアノン」らしい。

グランカナルから、約20分ほどの散策になった。
風景を楽しみ、写真を撮りながらのんびり歩いていたので、真剣に歩けばもっと短い時間で到着できると思う。

しかし、そうは言ってもけっこうな距離があった
。朝、ヴェルサイユ・リヴ・ドロワ駅から宮殿まで歩くのにかかった時間とほぼ一緒である。

宮殿の敷地の広さを体感した。




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