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宮殿内の現代アート展示について
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私がヴェルサイユ宮殿を訪れたとき、「Jeff Koons」というアーティストの作品が展示されていた。
宮殿内の主要な各部屋に、である。
例えば「ヴィーナスの間」には、金色のマイケル・ジャクソンとペットの猿が、
鏡の回廊には、光る球体(運動会の大玉転がしで使うようなピカピカした青い大きな玉)が、それぞれ展示されていた。
他にも、天井からつり下げられた巨大エビとか、奇妙なものがたくさんあった。
歴史ある建築物の中、現代的な物体が唐突に現れる。
それらを目にした時に人々が感じる違和感も含めて、彼の作品なのだろう。彼の作品は、ヴェルサイユ宮殿という空間に展示することで完成するものであり、ヴェルサイユ宮殿に置かれなければ意味を成さないものなのだ。たぶん……。
「Jeff Koons」は、現在も活躍中のアメリカ人アーティストで、知る人は知っている有名人である。私はよく知らないが、ダリ崇拝者だというのは聞いたことがある。Jeffの芸術活動について、詳細は知らないながらも尊重はしたいと思うし、この人がどうとか、この作品がどうだ、などと述べる気は全くない。
文句を言いたいのは、見たくない人にも無理矢理見せる、その手法である。
見たくないものを強制的に見せられたうえ、見たかったものは妨げられて満足に見ることができない。
あんまりだと思う。
私がはるばるヴェルサイユまで出かけていったのは、Jeffの作品を見るためではないのだ!
「大会食の間」には、ルヴラン作のマリーアントワネットの肖像画がかけられている。複製でよくお目にかかる、赤いドレスを着て、子供たちにかこまれたあの絵である。
若き日のアントワネットがデュ・バリー夫人(ルイ15世の愛人)を徹底的に無視するように入れ知恵したとされる、アデライード王女やヴィクトワール王女の絵もある。
フランス革命に興味のある人にとって、ここはとても重要な部屋なのである。
それなのに……。
部屋の真ん中に置かれた複数の掃除機。
ショーケースは、薄暗い部屋の中で不自然に明るい人工的な光を放っている。Jeffには申し訳ないけど、邪魔だった。「誰かこの掃除機撤去して!」と切実に思った。
一応、旅の記録としてJeffの作品をあえていくつか撮影してきたのだが、本来見学を楽しみにしていた部屋では、Jeffのオブジェが写りこまないように、常に注意深く構図をとって撮影した。
しかし、Jeffの作品はどの部屋でも中央の目立つ場所に置かれている。もう、悪いけど本当に邪魔!だった。
宮殿内で撮って来た写真に、極端に斜めとかアップとか、妙なアングルが多いのは、全部Jeffのせいなのである!
行くまでは全く気づかなかったのだが、帰ってきて以降、メトロの広告スペースなどで、この件が告知されていたことに気がついた。
「いつからいつまでJeffの作品がヴェルサイユ宮殿で見られますよ」という内容が、きちんと示されている。
分かっていれば、行かなかったか?
いや、分かっていても行くしかなかった。行けるときは限られている。私にとって、ヴェルサイユ宮殿は、いつでも何度でも気軽に行けるような場所ではないのだから。
いまだに釈然としない思いが残っているのだが、私のこの怒りっぷりときたら、きっと Jeff の狙い通りなのだろう。なんだかそれも、悔しい気がする。
何もヴェルサイユ宮殿で個展を開かなくても……としみじみ思ったけれど、ある意味とても印象には残ったし、「ヴェルサイユ宮殿に、絶対また行かなきゃ!」と決意する流れを作ってくれた。
またの機会を持つ楽しみを得られたのだから、かなり無理矢理だけど、これはこれで良かったということにしようと思う。
周りにいた他の観光客も皆、なんじゃこりゃ?みたいな反応をしていて、それもちょっと面白かった。
言葉は分からなくても、表情で気持ちは通じるものである。
最後に、もうひとつ Jeffの作品を。
王妃の階段に設置された巨大なハートのオブジェ。
縁日で売っているアルミの風船みたいに見えるのだが、実際は、硬い素材で出来ている。このように滑らかでキレイな曲線を出すのは、相当の技術が必要なのです、という説明だった。
そうですか、って感じ。
私が訪問した時期に行われていたJeffの作品展に限らず、ヴェルサイユ宮殿において現代美術展はよく催されている。
だからといって、それで訪問日程を変えるわけには行かないケースも多いと思うが、心の準備はしていった方がいいかもしれない。
私みたいにショックを受けないように……。
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