ルーヴル美術館訪問の際は、「あらかじめ見たい作品を選んでから出かけよう」とはよく言われることです。しかし、「これから初めて行くのに、見たい作品は何かと言われても、選びようがない」と思う方も多いと思います。
実は、旅行関係者のあいだでは、ルーヴル見学で定番とされる作品は、ある程度決まっています。
このページでは、そういった観光的な発想の定番に加え、美術史的な観点からも、「ルーヴルに行くならこれは見た方がいい!」とおすすめしたい作品をプラスしてご紹介します。ただし、極端にマニアックなものではなく、どれも世界的に有名で、一般的に日本人にも馴染みのあるものです。
このページでの解説は最小限に留めてあります。 もっと詳しく知りたい方は、ルーヴル美術館公式HPの解説ページへリンクを貼っておくので、そちらをご覧下さい(解説ページがない作品もあります)。
当サイト内にも別途作成した作品解説のページがあるものには、リンクしておきます。
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パリ観光の定番スポット、ヴェルサイユ宮殿観光とルーブル美術館観光のオプショナルツアーがセットになって登場。別々に申し込むよりも断然おトク!日本語ガイドによる案内。初めてのフランス旅行でも安心、理解も一層深まります。
ルーヴルに行ったら、まずはドゥノン翼へ!
モナリザのある「ドゥノン翼」には、有名で人気のある作品が集中しています。ルーヴルで過ごす時間が限られている人は、「ドゥノン翼2階を中心」に見学するのがおすすめです。
ドゥノン翼2階は、「カナの婚礼」や「ナポレオン1世の戴冠式」をはじめ、大作が多いエリアでもあります。作品の大きさは、本やインターネットでは体感できません。ぜひ、本物の迫力を味わってきてください!!


帰国後の みやげ話で「ルーヴル美術館にも、もちろん行ってきたよ!」と誰かに報告はしたい、でも、実は美術館にはぜんぜん興味ない。…そんなあなたも、ドゥノン翼に行ってください。「モナリザ」「ミロのヴィーナス」「サモトラケのニケ」「ナポレオン1世の戴冠式」、この辺りが 必見ポイントです。うまく行けば、1時間程度でまわれます(入場までの時間は除く)。
美術史全体の中でとりわけ重要視されるのが、イタリア・ルネサンスの3大巨匠「レオナルド・ダ・ヴィンチ」「ミケランジェロ」「ラファエロ」です。この3人のうちレオナルドの作品だけは、代表作と言われるものが複数ルーヴルに所蔵されています。
これは、フランソワ1世という王様が晩年のレオナルドをフランスへ呼び寄せたため。ミケランジェロやラファエロの作品は、パリには少しだけしかありません(ローマやフィレンツェに行けばたくさんあるのですが…)。ルーヴル所蔵の彼らの作品、ぜひチェックしてください。
リシュリュー翼は空いている…でも実はかなり面白い!

有翼人面牡牛像
イラクの宮殿跡から出土。宮殿のお守り。頭が人間、体は牡牛、胸はライオン、鷲の翼、という怪獣。古代オリエントコーナー、濃いものがあり過ぎ…。

ピュジェの中庭/マルリーの中庭
自然採光の屋根を通して柔らかい日差しが差し込む中庭に、彫刻作品がゆったりと並べられている。作品群もさることながら、空間としても心地良い。
リシュリュー翼の1階では、オリエント、メソポタミアといった古代の美術品、2階では、中世〜ルネサンス〜19世紀の工芸品、3階ではフランドル、オランダなどの絵画を鑑賞できます。
モナリザなどを見た後で移動するなら、一旦ナポレオンホールに戻って、改めてリシュリュー翼入口から入りなおすのが良いと思います。興味深いものがたくさんあるエリアです。しかも、それほど混雑していないことが多く、ゆっくり鑑賞できます。
シュリー翼にも見たいものがいろいろ…

ショパンの肖像
ショパンの解説文などでよく使われる絵。これドラクロワ(民衆を導く〜の作者)の作品なんですよ!シュリー翼のドラクロワ部屋は要チェックです!

ビジェ・ルブランとその娘
マリー・アントワネットの肖像画を多く残したルブランの自画像。当時の女流画家としては異例の活躍だった。アイドルのブロマイド的な可愛らしさ。
古代エジプトの出土品を好きな人は多いと思います。数が多いので、お好きな方はじっくりと。
3階の近代フランス絵画は、知らないようで、見てみると実は知っていた、という作品がけっこうあるかも。日本人にとって、近代フランス絵画って意外と浸透しているものなんだな、と感じます。
ダヴィッド、アングル、ドラクロワ、ビジェ・ルブランなどは、いずれも、最初にご紹介したドノゥン翼2階に超有名作品があるのですが、シュリー翼にも作品群が展示されています。近代フランス絵画(ロココ、新古典主義、ロマン主義あたり)が好きな人は、両方見に行きましょう。
もっと知的に絵画を観る方法
もともと「絵が好き!」という方から、「西洋美術史を楽しむ…と言われてもあまりよく分からない」という方まで、気軽にお読みいただける内容です。
明日からの7日間、絵画と接する数分を楽しむ機会にしていただけたら幸いです。 どんな絵画が届くか楽しみにお待ちください!
執筆:内田ユミ