モンマルトル

モンマルトル Montmartre

パリを見下ろす小高い丘「モンマルトル」は、サクレクール寺院を中心した一帯で、パリの観光名所のひとつです。

テルトル広場、エスパス・ダリ、サン・ピエール・ド・モンマルトル教会、ムーラン・ルージュ、など、比較的狭いエリアに見どころが集中します。
このような施設のほか、雰囲気のある小道や坂道は散策するだけでも楽しく、パリの他のエリアとは明らかに違った雰囲気を楽しめます。

一方で、モンマルトルは、パリの中でも、治安が悪いエリアの筆頭にあげられます。ガイドブックを見ると、この辺りではスリや詐欺等に充分注意すること、という注意が必ず書かれています。 「女性は一人で行かないこと!」とまで書いてあるものもあります。

例えば日本でも、新宿歌舞伎町、渋谷センター街、上野アメ横 のような、ある一定の層の人たちを多く集める場所には、その土地特有の雰囲気があります。そのような場所は、人が集る故に、犯罪が多発する地域であるとも言えますが、独特の魅力を持った地域だと言うこともできます。

モンマルトルも、まさにそのような場所です。

朝から日中に限っていえば、家族連れ、カップル、団体観光客なども多く訪れます。スリやひったくりなどには注意が必要ですが、「近寄れないくらい怖い」というほどではありません。

ただし、日没後は別。特に不慣れな観光客が出歩くのは非常に危険です。周辺に歓楽街があること、移民など貧困層の住むエリアがあることが影響しています。
ナイトショー(ムーラン・ルージュ)に出かける方は、必ず帰りの足を確保しておくようにしてください。

モンンマルトル散策 レポ

入口はアベス駅(Abbesses)。
モンマルトルの玄関口のひとつ、12号線「アベス駅」。

アールヌーボー様式のこのメトロの入口は、メトロが開設した1900年当時から残っているものです。

エンジェルのお店

エンジェルグッズだけを扱うお店です。
個人的に好きなお店で、モンマルトルに来たら
必ず立ち寄ります。

サクレクール寺院前

緩やかな丘には、階段があります。
ときどき振りかえって景色を楽しみながら登って行きましょう。

緩やかとはいえ、長い階段を登るのが辛い人は、ケーブルカーが利用できます。
メトロの切符と共通です。
乗ってみると、すぐに着いてします。

丘の前、メリーゴーランドのある広場。
ミサンガ売り(押し売りです)のお兄さんたちは、チームを組んで観光客を とおせんぼ しています。

お兄さんたちは、これから寺院にお参りに行く人には押し売りせずに、帰ってきた人に押し売りするというルールがある、と聞いたことがあります。

彼らなりにスジを通しているんだ…と感心したものですが、最近はそのルールもなくなっている気がします。

この写真の観光客は、むしろ喜んでミサンガをつけてもらっているように見えます。こういう人もけっこう見かけます。
あっという間にミサンガを編み上げる技術は、スゴいらしいです。でもおそらく、30ユーロとか、50ユーロとか、どう考えても高すぎる値段を要求されるので、避けた方が良いと思います。
避けるコツは、お兄さんたちの近くを通る際、遠くを見るようにして、彼らのことは目に入っていないかのように無視して通り過ぎること。声をかけられても、聞こえていないかのように、さっさと通過することです。

ある程度のところまで登ると、パリの風景が見渡せます。
この景色と一緒に写真におさまりたいという気持ちは、どの国の人々にも共通するものらしく、見知らぬ者同士でカメラを交換して、記念撮影をしています。

上の方まで行くと、長い石段に腰掛けて、いろいろな国の人たちが思い思いの時を過ごしています。
きっと冷たいだろうと思うのですが、芝生に寝転んでいる人も大勢います。
楽器を演奏する人もいるし、大道芸人もいます。
大道芸人の素振りなんて、全く目に入ってないカップルもいます。

サクレクール寺院を正面に見て、左に進みます。
一瞬だけ人の波が途切れます。まるでエアポケットに入ってしまったかのように、突然静かな景色が現れます。
路地が複雑に入り組んでいるこの界隈は、一つ横の通りに入っただけで、がらりと雰囲気が変わります。小さな坂や、横道に入る階段など、風情のある景色が見られます。
さっきまで あんなに人がいたのに、急に誰もいなくなりました。

さらに進むと、再びすぐに人で賑わう通りへと戻って行きます。

おみやげ屋さんや、クレープリーが並びます。
サクレクール寺院は、見事に風景の一部になって、正面から見たときとは違った、すました横顔を見せています。

有名絵画のポストカードやポスター、「おみやげにどうぞ」とばかりにエッフェル塔や凱旋門がプリントされたTシャツやマグカップ。

並んでいるお店は、例えば、シャンゼリゼや、サン・ジェルマン・デプレにあるような、高級感溢れるイメージとは違います。庶民的でほっとする感じ、人の交流が盛んな下町情緒らしきものも感じます。

モンマルトルのミニ列車

坂や階段が多い地域なので、観光客向けのミニ列車も走っています。2種類あって、左の写真は「モンマルトラン」です。
どちらも1周 約30〜40分で、30分間隔で運行。モンマルトルの主要ポイントをまわります。 ゆっくり、のどかに走ります。ガタゴト〜。 (ガイドに日本語はありません。)

  • モンマルトラン:ピガール広場より出発
  • プチ トラン:プランシュ広場より出発
テルトル広場 Place du Tertre

似顔絵描きの絵描きさんが集う広場。
勝手に描き始めて料金を請求する悪徳商法の人も居ますが、きちんと場所を確保して営業している絵描きさんはそんなことはありません。事前に価格の確認をして、描いてもらいましょう。
悪徳絵描きのせいで、イメージが悪いようですが、似顔絵を描いてもらうのって、とても楽しい経験ですよ。15分程度で描いてもらえるので、お願いしてみては?

エスパス・ダリ Espase Dali

シュルレアリスムの巨匠「サルバドール・ダリ」の美術館。テルトル広場を出たところにあります。
それほど大規模ではないのですが、絵画、彫刻、リトグラフなど300点ほどの作品があります。
照明や展示方法が凝っていて、いかにもダリっぽい感じです。ダリの声の音声も流れています。

オーベルジュ・ドゥ・ラ・ボンヌ・フランケット
Auberge de la Bonne Franquette(カフェ)

モンマルトルは、19世紀には多くの芸術家が集まるエリアでした(今もそうですね)。当時からあるこの写真左側のカフェには、ルノワール、モネ、ピサロ、シスレー、セザンヌ、ロートレックなど、私たちにもなじみ深い画家たちがよく集ったそうです。

ここでお茶しながら、当時に思いを馳せてみるのも、モンマルトルならではの楽しみ方です。

ムーラン・ルージュ Moulin Rouge

パリを代表する老舗のキャバレー。有名なフレンチカンカンが見られるのはここです。画家ロートレックが通いつめ、繰り返し作品に描いたことでも知られます。

このページで見て来た他の見どころとは、場所的に少し離れていて、サクレクール寺院よりも、モンマルトル墓地寄りの場所にあります。(一帯がモンマルトルです。)

月に1〜2回は、昼食つきの公演(マチネレヴュー)があるそうで、この写真の日は、たまたまその時に当たったようです。

アメリの舞台になったカフェ「Les Deux Moulins」

日本でもヒットしたフランス映画「アメリ」で主人公が働いていたカフェです。現在は中が改装されていますが、基本的な雰囲気は変わらず、オドレイ・トトゥの演じたアメリのポスターも貼ってあります。
ムーランルージュの横の坂道(ルピック通り)を上がっていくと見えてきます。

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